「製造業しか経験がない自分に、他の道なんてあるんだろうか?」

そう思いながら、転職サイトを開いては閉じる日々を繰り返していませんか?

僕も同じでした。

手取り16万円、賞与は年2回で合計0.5ヶ月分。

4勤2休の交代勤務で土日も連休もなく、「このまま一生製造ラインで働くのかな」と漠然とした不安を抱えていました。

でも結論から言うと、製造業しか経験がなくても、キャリアの選択肢は複数あります

僕自身、Fラン大学卒で初職は地方の半導体系製造業。

CADを使った作図・設計業務を5年経験しただけでしたが、その後、東証プライム上場・5000人規模の大手メーカーへ転職しました。

年収は300万円台から初年度で500万円を超え、35歳の現在は600万円。

年間休日も120日から130日へ増え、完全週休2日の日勤固定になりました。

この記事では、「製造しか経験がない」という不安がなぜ生まれるのか、そしてどんな選択肢があるのかを、僕の実例をもとに具体的にお伝えします。

過去の自分と同じように悩んでいるあなたに、次の方向性を見つけるヒントを持ち帰ってもらえたら嬉しいです。

なぜ「キャリア迷子」になってしまうのか?

まず、製造業で働く20代が「キャリア迷子」になる理由を整理しましょう。これには大きく5つの背景があります。

1. 「製造=つぶしが利かない」というイメージがある

製造業での経験は、事務職や営業職と比べて「特殊なスキル」だと思われがちです。

特に製造ラインでの作業経験しかない場合、「他の業界では通用しないんじゃないか」と不安になります。

でも実際には、製造現場で培った「正確性」「納期管理」「改善思考」は、どの業界でも評価されるスキルです。

2. 周りに「別業界へ転職した人」がいない

製造業の現場では、同じ業界内で転職する人は多くても、まったく違う業界へ移る人は少ないです。

僕の前職でも、先輩3人が立て続けに転職しましたが、全員が製造系の別会社でした。

成功事例が見えないと、「自分には無理だ」と思い込んでしまいます。

3. スキルを言語化できていない

「CADで図面を書いてるだけ」「製造ラインで作業してるだけ」と思っていませんか?

でも企業側から見ると、5年間CAD業務を続けた人材は即戦力です。

製造現場で品質管理や工程改善に携わった経験も同様です。

ただ、自分ではそのスキルの価値に気づいていないため、職務経歴書に書けない、面接で話せないという状態に陥ります。

4. 疲労と低賃金で「調べる余裕」がない

僕も入社3年目のとき、転職意欲はあったのに、4勤2休の夜勤ありで体力的にも精神的にも消耗していました。

手取り16万円では貯金もままならず、「転職活動する時間もお金もない」と感じていました。

疲れていると、情報収集すらハードルが高くなります。

5. 「何がやりたいか」が見えていない

製造業以外の世界を知らないため、「他に何ができるのか」「自分は何がしたいのか」が明確になっていません。

選択肢が見えないまま、「とりあえず今の会社を続けるしかない」という思考停止状態になってしまいます。

これらは全て、情報不足と疲労が原因です。製造業での経験が「使えない」わけではなく、ただ「どう使えるか」を知らないだけなんです。

このまま動かずにいると、30代で後悔する

「いつか考えよう」と思いながら、そのまま何もしないとどうなるでしょうか。脅すつもりはありませんが、冷静に未来を想像してみてください。

年収の伸びが止まり、生活の選択肢が狭まる

僕の前職は、入社3年目まで年収約300万円でした。

4年目に交代勤務のおかげで年収400万円に届きましたが、それでも手取り16万円の月が続く状況は変わりませんでした。

中小企業では昇給幅が限られているため、5年、10年働いても年収が大きく上がることはほとんどありません。

結婚、子育て、マイホームといった人生の選択肢が狭まっていきます。

転職市場での価値が下がる

20代と30代では、企業が求めるものが変わります。

20代は「ポテンシャル」を評価されますが、30代になると「即戦力としての専門性」や「マネジメント経験」が求められます。

同じ環境で同じ業務を10年続けても、市場価値は必ずしも上がりません。

むしろ、20代のうちに異なる環境や業務を経験した方が、30代以降のキャリアの幅が広がります。

体力的に厳しくなる

交代勤務や夜勤ありの働き方は、20代のうちは何とか耐えられても、30代、40代になると確実に体にきます。

僕も5年目の時点で「このまま40代まで続けるのは無理だ」と感じていました。年齢を重ねてから転職しようとすると、体力的にも精神的にも負担が大きくなります。

「やりたいこと」を考える時間がなくなる

日々の業務に追われていると、自分のキャリアを考える時間がどんどん失われていきます。気づいたら30代後半、「もっと早く動いておけばよかった」と後悔する人を何人も見てきました。

もちろん、今の会社に残る選択肢もあります。でも「いつか」と思っているなら、20代のうちに一度だけでも本気でキャリアを見つめ直すことをおすすめします。

製造経験を活かして次に進むための5つの選択肢

では具体的に、製造業しか経験がない20代にはどんなキャリアの選択肢があるのか。

ここでは、僕自身の経験と周囲の事例をもとに、現実的な5つの道をお伝えします。

選択肢1:同じ職種で、より良い環境の会社へ転職する

これが最もリスクが低く、成功確率の高い選択肢です。僕自身がこのパターンでした。

CAD業務を5年経験していたので、「製造×CADが活かせる」という軸で大手転職サイトを検索し、東証プライム上場・5000人規模の企業を見つけました。職種は変わらず、会社の規模と待遇だけを変える。これなら即戦力として評価されやすく、面接でも自信を持って話せます。

製造ラインでの経験がある人も、「生産管理」「品質管理」「工程改善」といったキーワードで求人を探せば、同じ製造業でもホワイトな大手企業が見つかります。年収、休日、働き方を改善するだけで、人生の満足度は大きく変わります。

選択肢2:製造現場の知識を活かして「設計」や「技術営業」へ

製造現場での経験は、設計や技術営業の仕事で強みになります。

現場を知っているからこそ、「作りやすい設計」や「顧客への技術提案」ができるからです。

CAD経験があれば設計職へのステップアップは現実的ですし、製造ラインでの経験があれば、製造装置メーカーの技術営業やフィールドエンジニアといった道もあります。

職種を少し変えることで、年収アップとキャリアの幅を同時に手に入れることができます。

選択肢3:「品質管理」や「生産管理」の専門職へ

製造現場での経験は、品質管理や生産管理の仕事で高く評価されます。現場の実態を知っているため、現実的な改善提案ができるからです。

これらの職種は、デスクワークが中心で体力的な負担も減り、年収も製造ラインより高い傾向にあります。製造業界内でキャリアアップしたい人には、非常に現実的な選択肢です。

選択肢4:スキルを磨いて「専門性」で勝負する

CADや機械設計のスキルをさらに深めて、専門性の高いエンジニアになる道もあります。

例えば、3D CADの資格を取る、特定の業界(自動車、半導体、医療機器など)の設計に特化するといった方法です。

専門性が高まれば、フリーランスとして独立する選択肢も生まれます。

すぐに独立する必要はありませんが、「会社に依存しない働き方」を視野に入れることで、キャリアの自由度が増します。

選択肢5:まったく違う業界へ飛び込む

これは最もハードルが高いですが、不可能ではありません。20代であれば「ポテンシャル採用」の枠があるため、未経験の業界や職種にもチャレンジできます。

ただし、年収が一時的に下がる可能性があること、ゼロから学び直す覚悟が必要なことは理解しておいてください。

それでも「製造業以外の世界を見てみたい」という強い気持ちがあるなら、20代のうちに挑戦する価値はあります。

大切なのは、「製造業しか経験がない」ことを弱みではなく、「製造業での実務経験がある」という強みとして捉え直すことです。

選択肢は思っているよりもずっと多いんです。

僕がキャリア迷子から抜け出すまでの実例

ここからは、僕自身がどうやってキャリア迷子から抜け出したのか、もう少し詳しくお話しします。

転職前:消耗と不安の日々

僕は22歳でFラン大学を卒業し、グループ合計1000人規模の半導体系製造業に就職しました。CADを使った作図・設計業務を担当し、5年間勤めました。

待遇は以下の通りです。

  • 手取り:月16万円
  • ボーナス:年2回、合計0.5ヶ月分
  • 年収:入社3年目まで約300万円
  • 年収:4年目に交代勤務の年は月40万円、年収400万円
  • 働き方:4勤2休(夜勤あり)、土日・連休なし
  • 年間休日:120日

給料は決して高くなく、4勤2休の交代勤務は体力的にも精神的にもきつかったです。

入社3年目には転職意欲がMAXになりましたが、疲労で行動できませんでした。「このままCADを続けるのか」「他に何ができるのか」と悩み、完全にキャリア迷子の状態でした。

転職を決めた3つのきっかけ

5年目になって、ついに転職を決意しました。きっかけは3つあります。

  1. 先輩3人が立て続けに転職した:「みんな普通に転職してるんだ」と気づき、自分も動ける気がしました。
  2. 低賃金とスキルアップの限界:手取り16万円、賞与0.5ヶ月、年収300万円台では将来が見えませんでした。
  3. 3年付き合った彼女と別れた:土地に留まる理由が消え、環境を変えるハードルが下がりました。

この3つの要因が重なって、ようやく「今しかない」と思えたんです。

転職活動:「受かったら行く、落ちたら続ける」スタンス

大手転職サイトに登録し、「製造×CADが活かせる」「5000人規模の東証プライム企業」という求人を偶然見つけました。「受かったら行く、落ちたら続ける」というスタンスで応募し、書類選考と面接2回を経て、応募から2ヶ月で採用通知をもらいました。

退職願を出してから、上司・社長との面談、引っ越し準備、引っ越し、入社という流れで、採用通知から入社まで2ヶ月以内に全てを終わらせました。

転職後:会社を変えるだけでこんなに違う

転職後の待遇は以下の通りです。

  • 月給:約25万円(前職と同水準)
  • ボーナス:年6ヶ月(最低4ヶ月を維持する方針)
  • 年収:初年度で500万円超
  • 働き方:完全週休2日、年間休日130日、日勤固定
  • 仕事:CAD業務は継続、題材は変わり学びは多い

月給はほぼ変わりませんでしたが、ボーナスが年6ヶ月になったことで年収は一気に500万円を超えました。

働き方も完全週休2日、日勤固定になり、年間休日は120日から130日へ。「会社を変えるだけでこんなに違うんだ」と実感しました。

転職のデメリットも正直に

もちろん、良いことばかりではありません。中途入社には以下のようなデメリットもあります。

  • 孤独:同期がいないため、最初は孤独を感じました。
  • 「できるよね?」の空気:中途採用なので、即戦力として扱われ、放任気味な面もありました。
  • 見て覚えろスタイル:丁寧な研修はなく、現場で覚えるスタイルでした。ただし、結果としてスキルは伸びました。

これらは確かに大変でしたが、前職の消耗と比べれば些細なことでした。

人生が変わった

転職4ヶ月後に今の妻と出会い、半年で結婚しました。

その後、注文住宅を建て、2児の父になりました。

「人生変わりすぎてヤバいw」と本気で思います。

現在35歳、年収600万円。地方で家・車2台・子2人・NISA月10万円という生活をしていますが、苦しくありません。

転職して本当によかったと、心から思っています。

転職で得たのは、給料やスキルだけではありません。「人生の豊かさ」そのものです。

次の一歩を踏み出したい人へ

ここまで読んでいただき、ありがとうございます。

製造業しか経験がなくても、キャリアの選択肢は複数あるということ、そして20代のうちに動く価値があるということが伝わっていれば嬉しいです。

僕が年収300万円台から500万円、そして600万円へと変わった具体的な手順や、職務経歴書の書き方、面接で意識したポイントなどは、こちらの記事にまとめています。

製造業×CAD経験者のための転職完全ガイド

転職は人生を変える大きなきっかけになります。

在職中の転職活動はノーリスクです。

時間が取れるなら、まずは情報収集から始めてみてください。

過去の僕と同じようにキャリア迷子になっているあなたが、次の方向性を見つけられることを心から応援しています。