Pythonスクリプトをpyinstaller --onefile --windowed ファイル名.py でexe化すると、デフォルトでは下図のようなシンプルなアイコンが自動設定されます。(※Windowsのみ対応)
個人利用なら気にならないかもしれませんが、配布用ツールの場合は見た目の印象や信頼性を高めるためにも独自アイコンの設定が重要です。
特に、業務効率化ツールや社内用アプリとして配布する場合、アイコンがあるだけで「正式なアプリ感」がぐっと増します。
この記事では、筆者が実際に社内向けPDF結合ツールを配布した際の経験をもとに、
PyInstallerでexe化するときにアイコンを設定する方法をわかりやすく解説します。
必要なもの
- Pythonスクリプト(例:
main.py) - .ico形式のアイコンファイル(例:
myicon.ico)
PNGやJPEGではなくICO形式で用意する必要があります。
ICO形式はWindows専用のアイコン形式で、複数サイズ(16×16, 32×32, 256×256など)を1つのファイルに含められるのが特徴です。
アイコンファイルの作成方法
PNGなどの画像をICO形式に変換するには、以下の方法があります。
- オンラインツールを使う:ConvertICO(無料・登録不要)
- Windows標準の「ペイント」で画像を作成 → 専用の変換ソフトやWebツールでICOに変換
もしデザイン性の高いアイコンを作りたい場合は、CanvaなどでPNGを作成してからICOに変換するのもおすすめです。
PyInstallerでexe化+アイコン設定
以下のコマンドを実行することで、exe化と同時にアイコンを指定できます。
pyinstaller --onefile --windowed --icon=myicon.ico ファイル名.py
このコマンドを実行すると、プロジェクトフォルダ内のdistディレクトリに指定したアイコン付きの.exeファイルが生成されます。
実際に筆者が社内配布したPDF結合ツールでも、アイコンを設定したことで「公式アプリっぽく見える」と好評でした。
シンプルな工夫ですが、ユーザーの信頼感を高める効果は絶大です。
各オプションの意味
--onefile:すべてのファイルを1つのexeにまとめる(配布が簡単になります)--windowed:コンソール画面を表示しない(TkinterなどGUIアプリ用)--icon=myicon.ico:指定したICOアイコンを適用
なお、--windowed はGUIアプリ(TkinterやPyQt、customtkinterなど)向けのオプションです。
CLIアプリ(コマンドラインで実行するタイプ)の場合は省略して構いません。
よくあるエラーと対処法
実際にPyInstallerを使っていると、以下のようなエラーが起きることがあります。
- 「icon file not found」:アイコンファイルのパスが正しく指定されていない
- 「invalid icon file」:ICOファイルが壊れている、またはPNGなど別形式のまま
対処法としては、myicon.icoをスクリプトと同じフォルダに置くか、絶対パスで指定(例:--icon="C:\project\myicon.ico")すると確実です。
まとめ
Pythonスクリプトを配布する際は、単にexe化するだけでなく、アイコンを設定して見た目と信頼性を高めるのがおすすめです。
特に社内やクライアント向けにツールを共有する場合、独自アイコンを設定することで「正式なアプリケーション」として受け取られやすくなります。
もし今後、社内向けツールや副業案件などでPython製アプリを配布する予定がある方は、
今回紹介したPyInstallerの--iconオプションをぜひ活用してみてください。

