「何がやりたいかわからない」

社会人になってからこの悩みを抱えている人、想像以上に多いです。

学生時代は「とりあえず就活して、内定もらえたところに入る」で乗り切れた。でも社会人を数年やってみて、ふと気づくんですよね。

「自分は結局、何がやりたいんだろう」って。

転職を考えても、「やりたいこと」が明確じゃないと動けない気がする。自己分析をやってみても「うーん…」で終わる。そのまま月日だけが過ぎていく。

僕もそうでした。

Fラン大学を出て、特に強い志望動機もなく製造業に就職。CADを使った設計の仕事に就きましたが、「これがやりたかった!」なんて感覚はゼロ。

たまたまそこに配属されて、たまたまCADを覚えて、なんとなく続けていただけです。

でも、その「なんとなく」が、結果的に自分のキャリアを作ってくれました。

この記事では、「やりたいこと」がなくても大丈夫な理由と、消去法でキャリアを選ぶ具体的な方法を解説します。「やりたいことがない自分はダメだ」と思っている人に、ちょっと肩の荷を下ろしてほしいです。

この記事でわかること

  • 「やりたいことがわからない」が普通である理由
  • 「やりたいこと探し」をやめたほうがうまくいく理由
  • 消去法でキャリアを選ぶ5つのステップ
  • 消去法で選んだ製造業で人生が変わった体験談

「やりたいことがわからない」のは普通です

最初にはっきり言っておきます。やりたいことがない社会人のほうが多数派です。

SNSやビジネス書を見ていると、「好きなことを仕事にしよう」「情熱を持てる仕事を見つけよう」というメッセージがあふれています。でも、これが当てはまるのはほんの一握りの人です。

「やりたいこと」は後からついてくる

僕がCAD設計に就いたのは、会社に入って配属された先がたまたまCADの部署だっただけです。最初は「こういう仕事もあるんだな」くらいの感覚でした。

でも、やっているうちに「図面がきれいに描けると気持ちいいな」「寸法がピタッと合うと達成感あるな」と、少しずつ手応えが出てきた。

やりたいことは「やる前」に見つけるものじゃなく、「やっているうちに」気づくものだったんです。

「やりたいこと探し」がむしろ動けなくなる原因

「やりたいことを見つけてから動こう」と思っていると、いつまでも動けません。完璧な答えなんて出ないからです。

僕は入社3年目に「転職したいな」と思い始めましたが、「じゃあ何がやりたいの?」と自問すると答えが出ない。結局、そのまま2年間モヤモヤし続けました。動けたのは5年目。

「やりたいこと」が見つかったからじゃなく、「これ以上ここにいてもダメだ」と限界に達したからです。

だから提案したいのが、「やりたいこと」を探すのをやめて、「イヤなこと」を消していく方法——つまり消去法です。

消去法でキャリアを選ぶ5つのステップ

消去法は、「やりたいこと」がわからなくても使えるキャリア選択の方法です。やることはシンプルで、「自分にとってイヤなこと」を1つずつ消していくだけ。残ったものが、あなたにとっての「悪くない選択肢」になります。

ステップ1:「絶対にイヤな働き方」を書き出す

まずは働き方の条件面から消していきます。スマホのメモに書くだけで大丈夫です。

例:こんな項目を書き出す

  • 夜勤・交代勤務はイヤ → 日勤固定の職場に絞る
  • 土日出勤がイヤ → 完全週休二日制に絞る
  • 転勤があるのはイヤ → 勤務地固定の求人に絞る
  • 通勤1時間以上はイヤ → エリアを限定する

僕の前の会社は4勤2休の交代勤務で、土日も連休も関係なし。交代勤務をやれば給料は上がりましたが、生活リズムがぐちゃぐちゃになる。これは「もうイヤだな」と思っていた部分です。

ステップ2:「絶対にイヤな仕事の特徴」を書き出す

次に、仕事内容の面で「これはイヤ」を明確にします。

  • ノルマに追われるのがイヤ → 営業職を除外
  • 毎日違う対応を求められるのがイヤ → クレーム対応・接客を除外
  • 人前で話すのがイヤ → プレゼン多めの企画職を除外
  • 体力仕事はイヤ → 現場作業系を除外

ここまでやると、「じゃあ自分は何が残るんだ?」が見えてきます。

ステップ3:「苦じゃない作業」を確認する

ステップ2で「イヤなもの」を消したら、次は逆方向から。「べつに苦じゃないこと」を確認します。

好きじゃなくていいです。「まぁこれならできるかな」くらいのものを挙げてみてください。

  • 決まった手順で進める作業 → 苦じゃない
  • 1人で黙々とやる作業 → 苦じゃない
  • 細かい数字を確認する作業 → 苦じゃない
  • PCで図や資料を作る作業 → 苦じゃない

僕は「図面を見ながら黙々とCADで作図する」が全然苦じゃなかった。むしろ集中しているうちに時間が過ぎるタイプでした。これは「好き」とまでは言えなかったけど、「苦じゃない」は十分な適性のサインです。

ステップ4:残った選択肢を業界・職種に当てはめる

ステップ1〜3を整理すると、条件が絞られてきます。たとえば、

消去法の結果(例)

✕ ノルマがある仕事
✕ 人前で話す仕事
✕ 夜勤・交代勤務
○ 手順どおりにコツコツやる作業は苦じゃない
○ 1人で集中する作業は苦じゃない

→ 残る選択肢:製造業(CAD設計・品質管理・検査)、事務系、IT系のテスト・保守など

こんな感じで、「やりたいこと」は一切考えなくても、消去法だけで選択肢が絞れます。完璧な答えじゃなくていいんです。「この中ならどれが一番マシか」を選ぶだけ

ステップ5:「マシな選択肢」で求人を見てみる

ステップ4で残った業界・職種で、転職サイトの求人を眺めてみましょう。応募しなくていいです。まずは「こういう求人があるんだな」と知るだけで十分。

僕が転職を決めたのも、大手転職サイトでたまたま気になる企業を見つけたのがきっかけでした。

5,000人規模の東証プライム企業で、CADを活かせる仕事。

「Fランの自分が受かるはずない」と思ったけど、見つけなければ応募すらしていません。

消去法で方向を絞って、あとは求人を見ながら「これなら悪くないかも」を探す。やりたいことがなくても、キャリアは動かせます。

消去法で残りやすい「製造業」の職種

実際に消去法をやってみると、「ノルマなし × 人間関係シンプル × 手順が明確」の条件で製造業が残る人はかなり多いです。

ただ、「製造業」と一口に言っても職種はさまざま。消去法で残った人向けに、代表的な職種を紹介します。

職種 どんな仕事か 年収目安 未経験
CAD設計・製図 PCで図面を作成する。黙々と作業する時間が長い 350〜600万円
品質管理・検査 製品の品質を測定・記録。正確さが命 350〜550万円
製造オペレーター 機械操作・組立・加工。手順書に沿って進める 300〜500万円
生産管理 スケジュール調整・在庫管理。段取り力が活きる 400〜600万円
設備保全 工場設備の点検・修理。手に職がつく 350〜550万円

ポイントは、製造業は「どの会社で働くか」で待遇が天と地ほど変わるということ。僕は同じCAD設計でも、会社を変えただけで年収が200万円以上変わりました。職種が同じでも、会社選びを間違えなければ十分な収入と休日が手に入ります。

消去法で選んだ製造業で人生が変わった話

僕のキャリアを正直に言うと、「消去法の連続」です。華やかなストーリーではありません。でも結果的に、人生は大きく変わりました。

就職も消去法だった

Fラン大学の就活。強い志望動機なんてなくて、「営業はイヤ」「接客はイヤ」「デスクワーク寄りがいい」——そうやって消していったら、製造業のCAD設計が残っただけです。

入社後も「この仕事が天職だ!」なんて思ったことは一度もありません。ただ、大きな苦痛なく続けられていた。それが結果的に5年間のスキルの積み上げにつながりました。

転職も「やりたいこと」じゃなく「限界」がきっかけ

転職を決めた理由も、キラキラしたものじゃないです。

  • 仲のいい先輩が立て続けに3人辞めた
  • 手取り16万・ボーナス0.5ヶ月で、スキルアップも見込めない
  • プライベートの環境変化で、この地にいる理由がなくなった

「やりたいことが見つかった」からじゃない。「これ以上ここにいてもダメだ」の消去法で動いたんです。

転職先も消去法で選んだ

転職先を探すときも、大きな夢はありませんでした。条件はシンプルに3つ。

  • CADスキルを活かせること
  • 今より給料が上がること
  • 日勤で安定した働き方ができること

その条件で転職サイトを見ていたら、5,000人規模の東証プライム企業が出てきた。「受かったら行こう。落ちたら今の会社に残ろう」くらいの気持ちで応募して、まさかの採用でした。

結果:同じ仕事で年収+200万

【転職前】年収300万(交代勤務で400万)/ ボーナス0.5ヶ月

【転職後】初年度で年収500万超 / ボーナス年6ヶ月 / 年間休日130日・日勤

やっている仕事はほぼ同じCAD設計。扱う題材は変わったけど、「図面を描く」本質は同じです。「やりたいこと」を変えたんじゃない。「いる場所」を変えただけ

30歳で年収600万円。地方在住で持ち家、生活に余裕があります。

転職して4ヶ月後に出会った人と結婚して、注文住宅を建てて、子どもが生まれて…

「やりたいこと」がなかった僕が、消去法で選んだキャリアの延長線上で手に入れた生活です。

「やりたいこと」がなくても、選べる。動ける。

最後にもう一度言います。やりたいことがなくても、キャリアは選べます。

消去法は「妥協」ではありません。「自分にとってのNGを明確にして、残ったものの中からベターを選ぶ」という、れっきとした戦略です。

しかも転職活動は、今の仕事を続けながらできます。受かったら環境を変える。受からなかったら今のまま。失うものはゼロです。

まずはスマホのメモを開いて、「絶対にイヤなこと」を3つ書き出してみてください。そこからすべてが始まります。

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消去法で製造業を選び、会社を変えただけで人生が変わった話

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