✍ この記事を書いた人

半導体メーカー5年 → CAD設計13年目の現役製造業エンジニア。新卒で内定取り消しを経験し、2ヶ月後に規模10倍の会社へ再内定。

内定を取り消された直後、まともに動けたかと聞かれると――動けなかった、が正直な答えです。

朝起きてもやる気が出ない。親に話しても「なんとかなるよ」としか返ってこない。友達には就活のライバルだから弱みを見せられない。先生に相談しても、どこか「お前が悪い」と言われているように聞こえる。

何よりきつかったのは、内定取り消しを経験した人が周囲に1人もいなかったこと。相談したくても、同じ痛みを知っている人がいないんです。

それでも、2ヶ月後には規模10倍の製造業に再内定し、そこから13年間ものづくりの世界で働き続けています。

この記事では、内定取り消し直後のボロボロの状態から、「具体的に何をしてメンタルを立て直したか」を書きます。精神論ではなく、実際にやったこと・やらなくてよかったことの両方を。

この記事でわかること

  • 内定取り消し直後、メンタルが壊れかけた3つの兆候
  • 親・先生・友達に相談しても解決しなかった現実
  • 実際に効果があった立て直し方4つ
  • 逆に「やらなくてよかった」こと2つ
  • 13年後の今、あの絶望をどう見ているか

結論:13年たった今、あの絶望は「どうってことなかった」

先に結論から書きます。

内定取り消しは確かに人生の中でもトップクラスの絶望でした。でも13年たった今、振り返るとこうです。

「結果的にどうってことなかった」

取り消された100人規模の中小製造業の代わりに、1000人規模の会社に入った。そこから半導体メーカー、CAD設計と経験を積み、今は普通に働いている。

あのとき「人生終わった」と思った出来事は、長いキャリアの中では通過点のひとつに過ぎませんでした。

ただし――

「当時の自分にこの言葉を言っても1ミリも響かない」のも分かっています。だからこそ、精神論ではなく「当時の自分が実際にやったこと」を書きます。

メンタルが壊れかけた3つの兆候

まず、自分の状態が「やばい」と自覚するための目安です。当時の自分には、こんな兆候がありました。

① 朝起きてから「何もしたくない」が続く

取り消された翌日から1週間くらい、起きてもベッドから出る理由が見つかりませんでした。就活サイトを開く気にもなれない。かといって何か別のことをする気力もない。

今なら分かりますが、これは意思が弱いのではなく、脳がショック状態にあるだけです。2〜3日は何もしなくていい。

② 「周囲に同じ経験者がいない」孤独感

これが一番きつかった。

親に話しても、先生に相談しても、「内定取り消し」を経験した人が誰もいない。だからアドバイスが全部「頑張れ」「なんとかなる」の一般論になる。

「なんとかなるかどうかは自分次第だし、就職できなくてもどうってことないかどうかだって自分次第だろ」

当時の自分は、こう思っていました。親切心で言ってくれているのは分かる。でも、同じ痛みを知らない人の励ましは、励ましとして受け取れないんです。

③ 友達にも言えない

就活中の友達は、たとえ親しくても1人のライバルです。

自分の負けん気の強さもあって、弱みを見せたら負けな気がした。「実は内定取り消されて」なんて言えるわけがない。周囲は内定が出始めている時期です。

結果として、相談できる相手がいない状態で1人で抱え込むことになりました。

親・先生に相談しても「解決策は出なかった」という現実

正直に書きます。

親にも先生にも打ち明けました。でも、返ってきたのは次のような言葉です。

  • 「なんとかなる!次頑張ろう!」(親)
  • 「就職できなくたってどうってことない」(先生)

言葉としては100%正しい。でも、内定取り消しの当事者にとっては、どれも「なんの解決策にもならない」のが現実でした。

特に先生の言葉は、どうも素直に受け入れられなかった。どこか「お前が悪い」と言われている気がして。一方で、母親の「ほかにもいくらでもあるから。次行きゃいい」というシンプルな一言は、不思議と刺さりました。

相談の目的を「アドバイスをもらう」から「事実を吐き出す」に変えると、少しだけ楽になります。解決策を求めると期待外れに終わるが、ただ聞いてもらうだけなら心の圧力は確実に下がる。

実際に効果があった立て直し方4つ

ここからが本題です。精神論ではなく、当時の自分が実際にやって効果を感じたことだけを書きます。

① 親にだけは「すべて」を話す

先ほど「解決策は出ない」と書きましたが、それでも実の親にだけはすべてを話すのが最善でした。

解決策は出ない。でも、自分の状況を100%知っている人が1人でもいることの安心感は、想像以上に大きいです。

母親は就活の専門家ではありません。でも、人生の先輩として多角的な視点で言葉をくれた。「視野が狭くなっていた自分にとっては、解決策よりもその広い視点のほうがありがたかった」と今では思っています。

もし親との関係が難しい人は、利害関係のない年上の人(バイト先の店長、親戚のおじさん、大学のOBなど)を1人だけ見つけて話してみてください。

② 強制的に「外」に出る仕組みを持つ

落ち込むと、部屋にこもりがちになります。これは意思の問題ではなく、「人と関わりたくない」という防衛反応です。

ただ、こもればこもるほど回復は遅れます。

僕の場合、救いになったのは飲食店のアルバイトでした。休日はバイトに入っていたので、嫌でも外に出て、大学とは関係ない人たちと話す機会があった。

これが2つの効果をもたらしました。

  1. 就活のことを考えない時間ができる(完全な息抜き)
  2. 「最悪ここで働けばいいか」という謎の余裕が生まれる

2つ目は特に大きかった。就活で追い詰められているときに「逃げ道がある」と思えるだけで、精神的な余裕がまったく違います。

バイトをしていない人は、趣味でも散歩でもいいので「外に出る予定」を強制的にカレンダーに入れるだけで変わります。

③ 「自分を採らなかった会社が損をした」と思い込む

自意識過剰に聞こえるかもしれません。でも、これは本気で効きました。

「僕を採らないなんてもったいないなぁ。もっといいとこ行っちゃうよ?」

当時の僕は、わりと本気でこう思うようにしていました。

内定取り消しの直後は「自分なんて社会に不要なんじゃないか」という思考に支配されます。このループを断ち切るには、意図的に自信を持つしかない。

根拠のない自信でいいんです。むしろ根拠がないほうがいい。「僕はなんでもできる」と思い込んでいる人のほうが、面接でも確実に強い。たとえ結果が同じでも、堂々としている人間のほうが採用担当は安心します。

後に規模10倍の会社に内定したとき、「あのときの根拠のない自信は、根拠のある結果に変わった」と実感しました。

④ 「行動の速度」だけを上げる(質は後からでいい)

これは前編の記事でも書きましたが、再掲します。

内定取り消しされた5月時点で、僕は手持ちゼロ。大手就活サイトは「募集終了」だらけ。危機的状況でした。

ここで「何から始めよう」と考える前に、ひたすら動いた

  • ハローワークに登録
  • 地方紙の求人欄チェック
  • 「とにかくエントリーできるところ」に片っ端から応募
  • 県外の説明会にも飛び込む

質を考えている余裕はなかった。だから量で埋めた。結果として、2ヶ月で再内定にたどり着きました。

メンタルが落ちているときに「質の高い行動」を求めると、何も動けなくなります。とにかく手を動かす。質は後から自然についてくる。これが当時の僕が身体で学んだことです。

やらなくてよかったこと2つ

立て直しに効いたことと同じくらい、やらなくてよかったことも重要です。

❌ 就活の失敗を「反省会」として振り返る

「なぜ取り消されたのか」を冷静に分析するのは大事です。ただし、メンタルが壊れている最中にやると逆効果です。

当時の僕は「煮え切らない態度が原因だった」と薄々分かっていましたが、それを直視するのはメンタルが回復してからで十分でした。壊れた状態で反省会をしても、自己否定のループに入るだけです。

反省するのは、次の内定が出てからでいい。

❌ 他人の内定報告を見る

5月〜6月は、周囲に内定が出始める時期です。友達のSNS、大学の掲示板、就活仲間のLINEグループ――内定報告がどこからでも入ってきます。

これを見ても1ミリもプラスにならない

当時の僕は、意識的にSNSを開かないようにしていました。就活に関係ないバイトや趣味の時間を増やし、他人の進捗を目に入れない環境を自分で作った。比較対象がなくなると、不思議と焦りも消えます。

13年後の今、あの絶望をどう見ているか

正直に書きます。

あの内定取り消しがなかったら、100人規模の中小製造業でそのまま働いていたと思います。それが悪いわけではないけれど、視野が狭いまま社会人になっていたのは間違いない。

取り消されたことで、

  • 情報源の幅が広がった(ハローワーク、地方紙、県外の説明会)
  • 「自分は製造業で何をしたいのか」をゼロから考え直せた
  • 逆境を乗り越えた自信が、その後のキャリアを支え続けている

13年後の結論はこうです。

「内定取り消しは、最悪の出来事であると同時に、キャリアの最大の転機だった」

今メンタルが壊れかけている人に、この言葉が届くかどうかは分かりません。でも少なくとも、13年後にそう言える日がくる。これだけは約束できます。

まずは「次の一歩」を踏み出すだけでいい

メンタルが回復してきたら、あるいは「動かなきゃ」という気持ちが1ミリでも芽生えたら、まずは情報を取りに行くところから始めてください。

僕の経験から言うと、「まず情報が入る状態を作る」のが最優先です。精神的にきつい状態で判断力は落ちているので、自分一人で求人を選別するよりも、プロの力を借りた方が効率的です。

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最後にもう一度、当時の自分が実際にやったことを整理します。

効いたこと:

  1. 親にだけはすべてを話す
  2. バイト・趣味で「外に出る仕組み」を持つ
  3. 「自分を採らなかった会社が損をした」と思い込む
  4. 質よりも行動の速度を上げる

やらなくてよかったこと:

  1. メンタルが壊れた状態で「反省会」をする
  2. 他人の内定報告を見る

内定取り消しは、確かにしんどい。でも、無意味な経験なんて何ひとつありません。13年後にそう言い切れる自分がいることが、何よりの証拠です。

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