製造業から未経験でプログラミング転職は可能?CADエンジニアが語る現実的ロードマップ
Fラン大卒 → 半導体メーカー5年 → 東証プライム企業でCAD設計13年目。仕事ではCAD設計が本業、業務自動化でVBAとPythonを日常的に使用。C言語も昔少し触りました。妻は元SE。「プログラミング転職」について、両方の業界を身近で見てきた立場から書きます。
「製造業を辞めて、プログラミングで食っていきたい」
そう考える人が増えています。SNSでも「未経験からIT転職に成功!」という話はよく見る。AIの時代になって、プログラミング学習のハードルは確実に下がった。
でも、本当に製造業から未経験でプログラミング転職は可能なのか?
結論から言うと、可能です。ただし条件があります。
僕は製造業13年目のCAD設計エンジニアですが、業務でVBAとPythonを日常的に使っていて、独学でWebサイトを運営しながらブログ記事もPythonで自動化している立場です。妻は元SE。プログラミングの世界と製造業、両方を身近で見てきました。
この記事では、「製造業を辞めてプログラミング転職したい」と考えている人に向けて、IT転職の現実と、製造業経験を活かす選択肢を本音でまとめます。
この記事でわかること
- 製造業からプログラミング転職は可能か?現実的な難易度
- 年齢別の勝負ライン(20代/30代前半/30代後半以降)
- 「会社を辞めなくても済む」社内IT部門という選択肢
- 製造業の経験がITで活きる具体的な場面
- 独学とプログラミングスクール、どちらを選ぶべきか
結論:プログラミング転職は可能。ただし「会社を辞める」前に知ってほしい選択肢がある
「製造業辞めて未経験IT転職」を考えている人に、僕がまず伝えたいのは一つです。
「会社を辞める」以外の選択肢も検討してほしい。
選択肢は大きく3つある
| 選択肢 | 難易度 | メリット |
|---|---|---|
| ①社内IT部門への異動 | 低 | 今の会社のまま、給与・福利厚生維持 |
| ②現職+Pythonで自動化業務の価値向上 | 低〜中 | 製造業のまま市場価値アップ、副業にも展開可 |
| ③IT業界への完全転職 | 中〜高 | プログラマー・エンジニアとしてのキャリア |
多くの人が③しか考えていない。でも、①と②は③より確実で、しかも給与ダウンのリスクが少ない。順番に解説します。
選択肢①:「社内IT部門への異動」を知らない人が多すぎる
意外と見落とされがちなのが、今の会社の中にもIT職があるという事実です。
製造業の中のIT職:具体的にどんな部署があるか
大手〜中堅の製造業なら、だいたいこういう部署があります。
- システム開発部:社内で使う業務システム(生産管理・在庫管理・販売管理)の開発・保守
- インフラ部:社内ネットワーク、サーバー、クラウド環境の構築・運用
- ITサポート部門:社員のPC・周辺機器のトラブル対応、社内ヘルプデスク
- DX推進部:業務のデジタル化、AI・RPA導入などの推進
僕がいる今の会社にも、システム開発部・インフラ部などが存在します。「製造業でも、社内にIT職のポジションがある」ということを知っておくだけで、選択肢が広がります。
社内異動なら給与・福利厚生を維持したままチャレンジできる
社内異動のメリットは明確です。
- 今の給料をそのまま維持(未経験IT転職は年収ダウンが一般的)
- 退職金・勤続年数がリセットされない
- 製造業の知識が業務システム開発で直接活きる(現場を知っている人材は貴重)
- 失敗しても異動前の部署に戻れる可能性がある
「IT部門への異動希望」を上司に相談するだけで、道が開けるケースは意外と多いです。まずは人事制度を確認してみてください。
選択肢②:「製造業×Python」というポジションは実は強い
辞めなくても、現職のまま市場価値を上げる方法があります。それが「製造業にいながらプログラミングスキルを持つ」というポジション取りです。
「製造業でPythonできます」は社内で希少人材になれる
正直に言うと、「Pythonできる」はITの世界では当たり前です。ITエンジニアがPythonを使えるのは当然で、特別なスキルではない。
でも、製造業の中で「Pythonできます」は相当なレア人材になります。僕自身、今の会社で業務自動化のスクリプトを書いたり、CAD業務の効率化ツールを作ったりしていますが、これを社内でやっている人は数えるほどしかいない。
同じスキルでも、どのフィールドで活かすかで希少性が180度変わる。IT業界で中堅扱いされるスキルでも、製造業に持ち込めば一気にトップクラスの価値になります。
VBA→Pythonの置き換え需要が今まさに伸びている
製造業の現場では、業務の多くがVBA(Excelマクロ)で動いています。生産計画・在庫管理・品質データの集計など。
ところが今、「VBAを減らしていく」動きが大手を中心に始まっています。Microsoftが将来的にVBAサポートを縮小する可能性も示唆されていて、代替としてPythonへの置き換え需要が高まっている。
このタイミングで「Pythonで業務自動化できます」と言える人材は、製造業の社内で極めて価値が高くなります。転職しなくても、社内での評価・異動・昇進の武器になります。
選択肢③:IT業界への完全転職の現実
ここから、「どうしてもIT業界に転職したい」人向けのリアルを書きます。
年齢別:勝負ラインの現実
未経験からのIT転職は、年齢が最大のハードルです。
| 年齢 | 難易度 | 必要な準備 |
|---|---|---|
| 20代前半 | 低 | やる気と基礎学習でOK |
| 20代後半 | 中 | ITパスポート+ポートフォリオ1〜2個 |
| 30代前半 | やや高 | 実用的なスキル(Python、VBA、C言語経験など)+ ポートフォリオ |
| 30代後半以降 | 高(社内異動が現実的) | 相当なスキル証明が必要 |
「スキルほぼゼロ」で通用するのは20代までというのが現実です。30代で挑戦するなら、「Python・VBA使えます」「昔C言語もやってました」くらいは最低ラインで言えないと厳しい。
ただし、今はAIの時代です。ChatGPTやClaudeなどを使えば、コーディングのハードルは確実に下がった。昔は必須だった細かい文法知識が、AIである程度カバーできる時代になっています。「今こそチャンス」という見方もできる。
まずはITパスポートで向き不向きを確認すべき
IT業界に興味がある人に、僕が一番おすすめするのはITパスポートの取得です。
理由は3つあります。
- 業界の基礎知識が身につく(システム開発・ネットワーク・セキュリティの全体像)
- 自分の向き不向きがわかる(勉強していて楽しいか、退屈か)
- 転職活動でも「ITに本気」の証明になる(未経験なら資格は強力なアピール)
IT転職を考える前に、まずITパスポートを取ってみる。これだけで、「本当にその業界に行きたいのか」「そもそも自分に向いているのか」が高確率でわかります。
資格取得まで3〜6ヶ月。独学でも十分取れる内容です。これで合わないと思ったら、IT転職そのものを見直せばいい。合うと思ったら、本格的な転職活動に進めばいい。低リスクで判断できる最強の方法です。
製造業の経験がITで活きる場面
「製造業の経験なんて、IT業界では役に立たない」と思っていませんか?
それは大きな誤解です。
製造業×ITで需要がある具体的なポジション
- 社内システムの開発者:製造現場を知っているからこそ、使える業務システムが作れる
- ITサポート・ヘルプデスク:現場のPC・周辺機器トラブルに対応
- ITインフラ技術者:TCP/IP、LAN構築など、工場のIT環境を支える
- DX推進担当:現場の課題をITで解決する橋渡し役
- 生産管理システムのコンサルタント:現場経験 + IT知識で製造業の顧客に刺さる
特に「製造業向けのIT製品を扱う会社」は、製造業出身者を歓迎します。現場を知らないITエンジニアには作れない価値があるからです。
CAD経験は「設計ソフト系の会社」で武器になる
CAD設計の経験がある人は、CADソフトやCAE(解析ソフト)を開発・販売している会社に注目してみてください。
こういう会社は、「実際にCADを使って設計した経験がある人」を強く求めています。ユーザー目線でソフトの改善提案ができる人材は、純粋なITエンジニアより重宝されることがある。
製造業の経験を「捨てて」IT業界に行くのではなく、「武器として持ち込む」視点で転職先を探すと、道が広がります。
独学 vs プログラミングスクール:どちらを選ぶべきか
プログラミング学習で多くの人が迷うのが、「独学かスクールか」の選択です。
それぞれに向いている人
| 独学が向いている人 | スクールが向いている人 |
|---|---|
| 作りたいものが明確にある | 体系的に一から学びたい |
| 「動けばOK」で進められる | 質問できる環境がほしい |
| 自己管理ができる | 期限と強制力がないと続かない |
| 副業・社内活用が目的 | IT転職が目的 |
| 月1〜2万円で済ませたい | 時間を金で買いたい(最短ルート) |
僕は独学派。でもIT転職を目指すならスクールが合理的
僕自身は独学派です。Pythonを始めたきっかけは「業務自動化で作りたいツールがあった」から。作りたいものが先にあって、必要な知識だけを調べながら進めた。体系的に学んだわけじゃないので、「理論はわからないけど動くものは作れる」状態で十分でした。
でも、IT転職を目指すなら話は別です。転職活動では「体系的な知識」と「ポートフォリオ」の両方が求められる。独学でこれを揃えるのは時間がかかる。スクールならカリキュラムに従えば数ヶ月で一通り揃うし、転職サポートまで付いているところが多い。
「時間を金で買う」という意味では、IT転職を本気で目指す人にとってスクールは合理的な選択肢です。
「転職支援の手厚さ」「カリキュラム」「料金」で比較しました。
僕が20代に戻っても「製造業」を選ぶかもしれない理由
最後に、僕自身の本音を書いておきます。
もし20代に戻って「製造業継続 vs IT転職」を選び直せるとしたら、僕は製造業を選ぶ可能性が高いです。
理由①:ものづくりが好きだから
単純に、ものづくりが好き。図面を描いて、それが実際の製品になって、世の中で使われる。この流れが好きなんです。これは個人の価値観なので、プログラミングでの開発が好きな人は、もちろんそっちを選ぶのが正解です。
理由②:妻が元SEで話を聞いていると大変そうだから
正直な話、妻は元SEです。話を聞いていると、納期のプレッシャー・突発的なトラブル対応・休日出勤・夜間作業など、IT業界も決してラクではないことを知っている。
「IT業界に転職すれば全部解決する」みたいな幻想は持たないでほしい。どの業界にも、その業界ならではのしんどさがあります。
理由③:AIで個人開発が進む時代、サラリーマンとしてのプログラマーの価値が微妙
今はAIを使えば、個人でも相当なことができる時代です。僕自身、このブログの運営もPython+AIでかなり効率化しています。
「個人開発で稼ぐ」「副業でITスキルを活かす」という道は広がっている。でも、「サラリーマンとしてのプログラマー」の価値は、一部AIに置き換わり始めているのも事実です。
だからこそ、僕は「製造業というフィールドでITスキルを活かす」という選択をしています。製造業の安定基盤の上で、Python・AI・ブログ運営など、やりたいことをやる。サラリーマンとしての安定と、個人としての自由の両取りです。
これからプログラミング転職を考える人へ
これまでの話をまとめると、プログラミング転職は「条件次第でアリだけど、会社を辞める前に検討すべき選択肢がある」ということです。
まずはこの順番で試してほしい
- ITパスポートを取得(3〜6ヶ月、独学でOK)
- Python・VBAで業務自動化ツールを1つ作ってみる(小さくてOK)
- 社内にIT部門があれば異動の可能性を探る
- それでもIT転職したいなら、スクールを検討
- 並行して、製造業特化の転職サービスも登録(安定基盤の維持)
「辞める」から始めないことです。選択肢を広げてから、最適な道を選ぶ。これが僕のおすすめするやり方です。
PICK UP
製造業でCAD×自動化で
年収500万超を実現した転職体験談
IT転職ではなく、製造業の中で市場価値を上げる道もあります。
Fラン大卒・半導体メーカーから東証プライム企業へ転職した全記録です。
まとめ:「辞めるか続けるか」の二択ではなく、複数の選択肢で考える
この記事のポイントを整理します。
- プログラミング転職は可能。ただし年齢と準備が重要。20代ならスキルほぼゼロでもOK、30代はPython等の実用スキルが必要
- 「会社を辞める」以外に3つの選択肢。社内IT部門への異動、現職+Pythonで価値向上、完全なIT転職
- 製造業の経験はITで武器になる。社内システム・ITサポート・製造業向けIT企業など活きる場面は多い
- まずITパスポートで向き不向きを確認。低リスクで判断できる最適な方法
- 独学かスクールかは目的で選ぶ。IT転職が目標ならスクール、副業・社内活用なら独学で十分
プログラミング転職を考えている人に伝えたいのは、「楽な道ではない、でも道は複数ある」ということです。
AI時代の追い風はある。未経験の扉は、以前より開いている。ただし、サラリーマンプログラマーの価値がAIで置き換わっていく動きもある。これからはポジション取りとアイデア勝負になる時代です。
だからこそ、いきなり会社を辞めるのではなく、選択肢を広げてから最適な道を選ぶ。社内異動、現職でのスキルアップ、完全なIT転職、製造業でのキャリアアップ。全部を同時並行で検討して、自分に合う道を見つけてほしいです。
動き始めるのに、今が遅すぎることはありません。まずは小さな一歩から始めてみてください。
▷ 製造業の転職・キャリア記事をもっと見る
どれを選べばいい?
あなたの状況に合ったサービスがわかります。

